「デュビアを飼育しているけどケース内の掃除が大変…」
「デュビアを飼育してみたいけど糞とかの掃除が大変そう」
なんて思われている方が多いのではないでしょうか?
ですがご安心下さい。この記事を読めばそんな掃除の悩みとは永遠におさらば。
フトアゴヒゲトカゲの餌用にデュビアを繁殖させるため、掃除のしやすい自作ケースを作った方法をご紹介します。
目次
自作衣装ケースに求める条件
まず自作ケースに求める条件を紹介します。
掃除のしやすさ
今回の最も大切なポイントである「掃除のしやすさ」
どんなケースで飼育すればデュビアのメンテナンスが簡単になるか考えた結果
プラケースを2重にして底面に鉢底ネットを貼り、糞が自動で落ちてくるシステムを作り上げることになりました。
通気性の確保
デュビアの飼育にあたり注意すべきは「湿気・湿度」です。
湿気はカビ・虫発生の原因となり、臭いの原因にもなります。
そのためケース内の通気性を確保するため衣装ケースを加工し、天井(蓋)も鉢底ネットに張り替えます。

鉢底ネットはデュビアの幼体でも脱走出来ない細かい物を使い、自宅がデュビア天国にならないよう対策しましょう!
自作衣装ケースの完成イメージ
自作プラケースを作るにあたり、より完成度を高めるため完成図のラフ画を書いてみました。

ラフ画を書いたことで一気に現実味を帯びてきましたね。
私の想像では天井と底面をネットにすることで通気性が格段にアップし、底の網目から糞が自動で落ちていくことにより掃除が格段にラクになると考えています。
自作衣装ケースの材料と工具
自作衣装ケースに必要な材料と工具を紹介します。
- 衣装ケース2個 ¥2500円
- 鉢底ネット100×50 ¥700円
- カッター ¥1000円
- グルーガン ¥1300円
- グルーガン詰替スティック ¥800円
合計費用:6300円
もう少し安くなる予定でしたが「グルーガン」を購入したため割高になってしまいました。
しかし、グルーガンはDIYやフトアゴの自作ケージなど多用途に使えるので購入して損はありません。
全ての材料&工具はホームセンターやAmazonで揃えることが出来ます。
材料費は2019年5月現在のAmazonを参照しています。
おすすめの衣装ケース(プラケース)

デュビアは過密飼育することで繁殖しやすくなると聞き少し小さめの衣装ケースを選びました。
なにより収納スペースを取りたくないので幅45×奥行き36を選んだというのが本音です。
結論から言いうと大正解でした。
大きすぎないので移動や扱いがしやすく、心配だった高さも25cmあれば天井に張り付かれることもありませんでした。
500匹~1000匹程度までデュビアを飼育&繁殖させようと考えている方は非常にオススメのプラケースです。
カッター
カッターは小型で薄刃の物では衣装ケースを加工することはおろか、刃先が飛び散ることを考えると非常に危険です。
そのため刃が太く、プラケースでも十分加工が出来る「大型カッター」をオススメします。
グルーガン
鉢底ネットを飼育ケースに接着するため「グルーガン」を使います。
別名ホットボンドと言われ、スティック上の接着剤を溶かし、それが固まることで強力な接着力となります。
また頑丈な作りの飼育ケージを作る場合、大量のグルーガンを使うため「詰替えスティック」は必ず用意しましょう。
自作衣装ケースの制作工程
自作衣装ケースの制作工程をざっくりまとめると…
- プラケースの加工
- 鉢底アミの貼り付け
- 飼育環境のセッティング
- デュビアを入れる
はぇ~すっごい簡単…
衣装ケースをカッターで加工する
まず衣装ケースの天井と底面をカッターでくり抜いていきます。

プラケースをカッターでカッティングする際のコツは「何度も薄くカットする」ことです。
そうすることで少ない力で衣装ケースを加工できます。

力を入れすぎると上の画像のようにプラケースが爆発四散することになります。
ヒビの隙間からゴキブリが脱走する恐れがあるので、グルーガンで念入りに補修しましょう。

同じように蓋部分もカッターで加工します。
鉢底ネットを乗せるとっかかりを残すため、内側の部分をくり抜きましょう。

蓋と底面をくり抜いたら衣装ケースの加工は完了です。
底面と蓋にネットを接着する
次は鉢底ネットをクリアケースの寸歩通りにカットし、グルーガンで接着していきます。


グルーガンをたっぷり使い鉢底ネットを固定します。
ここまで大量に使う理由は絶対に脱走出来ないようにするためです。
万が一ネットが外れたり、自重で壊れないように念には念をいれましょう。
グルーガンの先端は超高温になります。
作業を行う際は手袋や長ズボンで皮膚が守りましょう。
私は火傷しました(ボソッ
デュビアケース完成

プラケースが壊れたりもしましたが無事完成です。
指で強く押しただけではびくともしない頑丈性能。デュビアが脱走する心配はなさそうです。
ラフ画通りに作れて安心。
デュビアを自作ケースに入れてみよう

さっそく爬虫類倶楽部でデュビア200匹購入してきました。

動画や画像で耐性が付いたつもりでしたが、実物はゴキブリですね。
成虫以外は案外ダンゴムシみたいでカワイイ…か…も…^q^
それではドンドン入れていきますよ~イクイク



全てのデュビアが移し終えたらエサ皿もセッティング


水分摂取を目的とした野菜、動物性タンパク質を摂取させるためのグラブパイをデュビアにエサをして与えておきます。
追記6/22 成虫デュビア220匹追加

繁殖を加速させるため成虫デュビア♀210匹、♂10匹をヤフオクで入手しました。
消費をしなければあのままで良かったのですが、フトアゴヒゲトカゲの餌として消費していく場合確実に足りなくなると判断しての追加購入です。
今思えば爬虫類ショップで購入することもできますがオススメ出来ません。なぜならヤフオクの2倍~3倍の値段がするからです。
さらに「成虫デュビア」を販売しているショップは少ないので、繁殖を計画している方はヤフオクでガッツリ購入した方がかえって経済的です。
追記6/23 デュビアM/Lサイズ100匹を追加

フトアゴヒゲトカゲに与えるデュビアを計算した所…
15匹/週×4=60匹/月
となり、さらにデュビアを追加しました。
自作した衣装ケースの大まかな収容上限値も把握しておきたかったという側面もあります。
現在我が家のコロニーには400匹ほどのデュビアが居ますが、この衣装ケースなら1000匹までは余裕で飼育できそうです。
このようにデュビアの繁殖を試みると後々かなりの数のデュビアを追加購入することになります。
これからデュビアを飼育&繁殖させたい方は目安500匹は初期投資した方が良いでしょう。
追記6/24 早くも繁殖成功
-1024x576.jpg)
デュビアの飼育から7日後、はやくもデュビアのベビーが誕生しました。
ヤフオクで購入した♀成虫の多くが孕んでいたため、こんなにも早く繁殖が成功したのだと思います。

出産だけでなく、交尾もどんどん行っているので今後のコロニーに期待です。
また、デュビアの繁殖については「デュビアの繁殖のコツ|温度・数、何匹でスピードと期間が早まる?」で私が繁殖させた経験から詳しく解説しているため、これからデュビアを飼育&繁殖に挑戦する方はご参照下さい。

追記 半年間、自作飼育ケースを使ってみた感想
この自作衣装ケースを使い半年が経過し、様々なことが判明しました。
多くの方からとても参考になったという声を頂いたため、今後デュビアの繁殖を計画している方へ向け、この自作ケースのメリット・デメリットを赤裸々にお話します。
半年でどれくらい繁殖したの?

まず機能面を紹介する前に気になるのは「半年で何匹まで繁殖出来たのか」についてですよね。
結論から言えば、2000匹前後まで繁殖しました。(ファッ!?)

7月、8月の繁殖スピードは凄まじく、増えすぎたため販売を計画するレベルで繁殖しました。
飼育ケースの費用を考えても、半年あれば余裕で元を取れてしまいます。
さらにこのベビー達が成虫となり繁殖することを考えると想像も出来ないほど巨大なコロニーとなるでしょう。
糞の掃除がめちゃくちゃ楽
当初の目的であった糞の自動落下システムも上手く機能しており一月に一回、外側の衣装ケースを取り外しゴミ袋に糞移したら掃除は終わりです。

糞とデュビアを仕分けするのに何時間も掛けたり、フルイを使ったりする方も多いですがそれらと比べ圧倒的に早くメンテナンスが終わります。(5分程度)
今後長期的にデュビアを繁殖させていくこと考えると、この気苦労の差は非常に大きいです。
通気性バツグン、カビやコバエの発生なし
デュビア飼育でよくある失敗として、カビ・コバエの発生、最悪ダニによりコロニーの壊滅も頻繁に起こります。
しかし梅雨・夏と多湿な時期を経験しましたがコバエやダニはおろか、臭いも一切発生しませんでした。
やはり底面と蓋を鉢底ネットにし、乾燥剤を底面と壁に貼り付け湿気対策を徹底したことが功を奏したようです。

画像を見れば一目瞭然、デュビアを3ヶ月飼育するだけでこれだけの湿気が発生していたということです。
もし乾燥剤を設置していなければ、今頃コバエだらけだったかもしれませんね…。
底面の網目から幼体デュビアが落ちる
ここまでメリットだらけでしたが、この衣装ケースにも欠点があり「生まれたてのデュビアが稀に網目から落ちてしまう」ということが判明しました。

しかし繁殖する上で支障は一切なく、落ちる数に比べ落ちずに成長する数の方が圧倒的に多いため問題はありませんでした。
(落下数は一週間で最大10匹程度)
なお私は取り除く作業が手間なのでそのままゴミ袋へ捨てています。
網目から落ちるということは生まれつき体の小さい個体、つまり良い遺伝子とは言えないため選別の意味もあります。
脱走の危険性がある
卵パックを5層積み重ねてもデュビアが脱走できない高さがあり安心していましたが、一度だけ成虫デュビア♂に脱走されかけました。

原因は画像に映っている温度計にあり、コロニー内の温度を正確に測定するため卵パックの間に差し込んでいた所、そのコードを登ってきたことが原因でした。

壁は登れないためコードも登れないだろうと勘違いしていましたが実際に飼育してみたと分からない所も多く、難しいところですね。
追記 冬へ向けデュビア専用の温室を自作
デュビアを繁殖させ1年が経過し、東京であれ日本の冬では夏のような繁殖スピードは難しいことが判明しました。
この経験を活かし来年の冬へ向け、自作木製ケージを利用したデュビア専用の温室の作り方をご紹介します。

以前フトアゴヒゲトカゲ用の自作木製ケージの棚部分を使い、暖突・パネルヒーター・スタイロフォームで温室へと自作していきます。
まずパネルヒーターを床に敷き、次に温かい空気が逃げないようスタイロフォームを内部に設置します。


最後に暖突を設置する場所を決め、L字金具4つで暖突を固定していきます。

今回は横幅90cm・奥行き50cmなので暖突Mを使いましたが、使用する暖突のサイズは温室の大きさに合わせましょう。
一般的なメタルラックでレオパなどのために簡単な温室を作る場合、暖突Mで十分でしょう。
この程度のDIYであれば、「木製ケージを自作するために必要な工具」で紹介したものだけで行なえますのでご参照ください。


約15分ほどの作業で簡単に温室を作ることが出来ました。
スタイロフォームを側面や床に設置したりと、改良する点はいくつかありますが当面はこれで十分でしょう。
このあと暖突とパネヒを稼働させ一日放置してみたところ、室温20℃でも温室内は30℃を余裕でキープしていたので、冬でも繁殖スピードが加速しそうです(来年の冬が楽しみ)
まとめ
材料と道具があれば1時間程度でデュビアの飼育ケースを自作できました。
デュビアの生態や餌に関してはまだまだ知識不足なことが多く、これから勉強していこうと思います。
1年後には1000匹程度に繁殖させたいですね。
今回紹介した飼育セットや、飼育に役立つアイテムは「デュビアの飼育に必要なおすすめ飼育セット一覧」でご紹介しています。

追記 デュビアをショップで購入することはオススメしません

この記事を書いてから一年後、新しい血を入れるため久々に爬虫類倶楽部でデュビアを購入しましたがその内容に驚愕しました。
上の画像をみて、デュビアに精通した人間ならひと目で分かりますがオスのみに選別され、さらに体格が小さい個体のみが売られていました。
(♂の幼虫は成虫に近づくにつれ羽付近が黒く肥大化するため成虫になる前に判別可能)
そのため、このデュビアが成虫になったところで繁殖する可能性は0です。
また3パック90匹購入し確認してみましたが全てオスだったことから、偶然ではなく選別されメスを入れていないことが分かります。
餌としてのみ与える場合、性別は問題になりませんが繁殖を目指して購入した人は悲しみを背負うことになるでしょう。
しかしこの問題は爬虫類倶楽部に限らず、近年急激にデュビアが注目され、どのショップも需要に対し供給が間に合っていない現状が原因なのでしょう。