デュビアを爬虫類の餌として飼育・繁殖させている方は非常に多く、成功すればエサ代が抑えられるのでチャレンジする方も多いです。
今回はデュビアに与える餌の種類や与え方、好んで食べる餌などを私の飼育経験から丁寧に解説していきます。
目次
餌の種類
デュビアに与える餌は大きく分けて4種類に分類できます。デュビアにとってそれぞれ役割があり、最終的に爬虫類の栄養になるので1つだけでいいというわけではありません。
栄養満点のデュビアに育てるため、それぞれの餌の特徴を理解しておきましょう。
野菜の栄養素はあくまで人間基準で進めていきます。デュビアにも完全に当てはまるとは限りませんのでご注意ください。
野菜(野菜くず)
小松菜
食付きこそよくないですが、これほど栄養価の高い野菜はないほどビタミンや食物繊維、爬虫類には必須なカルシウムを多く含みます。
小松菜を与え始めてから幼虫の成長が早くなったように感じます。
ガットローディングの観点からみても優秀な餌野菜です。
食いつき度 | ★★★☆☆ |
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かぼちゃ
圧倒的食いつきNO.1
野菜な中では圧倒的に人気の餌で、昆虫ゼリーやラビットフードの次に食いつきが良いです。栄養価も高く、ビタミンや食物繊維を多く含みます。
食いつき度 | ★★★★★ |
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ニンジン
ニンジンの栄養にはビタミンAが多く含まれ、人間の場合皮膚を健康な状態に保ち、抵抗力を付けます。
デュビアでは脱皮不全が少なくなり、死ぬ数も減ったように感じます。
がぼちゃ程ではないですが、デュビアからも人気な餌の1つです。
食いつき度 | ★★★★☆ |
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豆苗
豆苗の栄養にはビタミンB1・B2・B6などのビタミンB群多く含まれており、ビタミンB群には代謝を上げる効果があります。
代謝を上げることでタンパク質や脂質の効率的に燃やすためには重要な栄養素です。
ただし、デュビアには豆苗の評判が悪くあまり食いついてくれません。我が家ではフトアゴの野菜クズ程度に与えています。
食いつき度 | ★★☆☆☆ |
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きゅうり
きゅうりは栄養補給ではなく、水分補給の役割として与えます。
ですが季節限定であること、他の野菜を与えれば水分補給も特に必要でないことなどから、我が家では滅多に与えることはありません。
食いつき度 | ★★★☆☆ |
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人工飼料
人工飼料は保存がしやすく、栄養がバランスよく含まれているものが多いため、デュビアのメインの餌としてオススメです。効果的に使うことで飼育が非常に楽になります。
ラビットフード(うさぎの餌)

デュビアを飼育するなら、必ず用意したほうがいい「ラビットフード」
デュビアは草食傾向の雑食昆虫なため、非常に食いつきも良く後述する昆虫ゼリーとの相性も抜群です。
ラビットフードが優れている点はそれだけではなく、管理のしやすさにもあります。
なぜなら乾燥餌のためケース内が蒸れることもなく、長期保存ができ、匂いも牧草(チモシー)のいい香りで糞も臭くなりません。
昆虫ゼリー

昆虫ゼリーは主に水分補給のために与えます。さらに高タンパクなものを選べば成長も促進出来るため一石二鳥です。
そしてラビットフードと昆虫ゼリーを同時に餌として与えることにより、ラビットフードがふやけるためオススメの給餌方法ですね。
昆虫ゼリーは「濃縮バナナブラックゼリー」を与えています。
注意点として、この昆虫ゼリーは嗜好性が非常に高いですが取扱いが少ないため、昆虫飼育者から評価の高い「プロゼリー」と併用、もしくはプロゼリーだけで問題ないでしょう。
グラブパイ(レパシー)

昆虫粉末を主成分とし、爬虫類の餌として有名な「グラブパイ」ですがデュビアの餌としては不向きです。以前は餌として使っていましたが現在は使っていません。
爬虫類飼育者の多くが所持しているため餌として与えがちですが、とにかく糞が臭くなります。
グラブパイを与えたあとの臭いを例えるなら、コオロギと同様の臭いになると言えば分かりやすいでしょうか。
デュビアに動物性タンパク質を与えるべきかにつて様々な意見がありますが、下記の検証動画をみると参考になります。
要約すると、デュビアに色々な種類の餌を与えた結果、動物性タンパク質を含む餌の食いつきは良くないという結果になります。
果実(フルーツ)
フルーツは栄養価が高くビタミン群も豊富に含まれており、非常に嗜好性が高いです。しかしフルーツばかり食べてしまい栄養価が偏るため、それだけ与えるのではなくバランス良く与える必要があります。
バナナ

今まで与えた果実類の中で最も嗜好性が高く人気なのが「バナナ」
幼虫から成虫まで幅広く人気であり、栄養価も高いのでオススメです。
さらに季節に左右されず安価に手に入ることも魅力であり、私は朝食に食べるバナナの半分ほどを与えています。
バナナは劣化が早いので入れすぎには注意しましょう。コバエやカビ発生の原因になります。
りんご
リンゴは水分を多く含み、フルーツなので嗜好性も高いですが季節によってはコストパフォーマンスに優れません。
我が家ではスーパーで見かけたらたまに餌として与える程度です。
自作餌

より繁殖スピード早め、栄養価の高いデュビアに仕上げたいのであれば、餌を自作してしまう選択肢もあります。
しかし手間や初期費用が掛かったりするため、普通にデュビアを繁殖させたい場合、上記で紹介した餌をバランスよく与えるだけで十分繁殖していきます。
餌の与え方
デュビアに餌を与える場合、3種類の給餌方法があります。それぞれメリット・デメリットがありますが一番最適なのは「餌皿」を使う給餌方法です。
餌皿・餌入れを使う

我が家では餌皿を使いデュビアに餌を与えています。餌入れを使うメリットは3つあります。
- 掃除・入れ替えが簡単
- 餌を清潔な状態に保てる
- 飼育ケース内が蒸れない(ダニの発生を予防)
特に床材が汚れず入れ替えが簡単なのは魅力的で、こまめに入れ替えることで餌が腐ることがなくなり臭い・ダニ・不衛生など全ての問題を解決出来ます。
ただし餌皿を使うことで懸念される問題もあります。それは「全ての個体に餌が行き渡るのか」というものです。
ですが餌皿を使った給餌でも問題なく幼虫デュビアも成長していることから、この懸念点は問題ないという結論に至りました。
餌皿を使う場合、初令幼虫でも登れる高さ・材質のものを導入しましょう。
おすすめの餌皿については「デュビアにおすすめの飼育セット」で紹介していますので合わせてご覧ください。

餌を粉末にして床材化させる

ラビットフードやドッグフードを粉末化させ、床材に使用することで同時に給餌する方法で飼育する方法もありますがオススメ出来ません。
理由は掃除にあります。
定期的にケース内のメンテナンスをすることになりますが、その度に子デュビアを取り除かないといけないため掃除が非常に大変になります。
私も飼育当初はこの方法を試そうと思いましたが、メンテンス性&臭いが発生することから断念しました。
ラビットフードなどを粉末化させる場合、コーヒーミルがオススメ。
ちなみに我が家では「掃除が簡単になる自作飼育ケースの作り方」で紹介した、飼育ケースの掃除が簡単に出来る自作衣装ケースを使い飼育しています。

タマゴパックに置く
これは絶対にやってはいけない餌の与え方です。
タマゴパックに直に餌を置くのは人間の都合であり、もしこの方法で餌を与えた場合さまざまな問題が起きるでしょう。
- 卵パックが蒸れる(小バエ・ダニの発生)
- 卵パックにカビが生える
- 蒸れるので生体が落ちやすくなる
考えられるだけでこれだけの問題が起きる可能性があります。
特にダニが発生すると深刻であり、一度湧いてしまうと駆除は困難でありコロニーを壊滅させないといけない場合もあります。
面倒くさいからといってタマゴパックに餌を置くのは絶対やめましょう、
与える餌の量
餌の量に関してはコロニーの規模により様々ですが、目安として我が家の400匹コロニーで消費する餌の量を紹介します。

大量の野菜(ニンジン/カボチャ/豆苗)・ラビットフード・昆虫ゼリーを設置し、24時間経過すると・・・

なんとほぼ全て食べつくされました。しかし豆苗は全然食べられていません。豆苗のような葉物野菜は好物でないことがわかります。
餌の量は多くの個体に行き渡るよう、少し多めに与えましょう。
デュビアにおすすめの餌
デュビア飼育を始めてから多くのエサを試し、現在与えているオススメの餌をご紹介します。
- ラビットフード(大人うさぎ用)
- 昆虫ゼリー
- フトアゴが食べ残した野菜(カボチャ・小松菜・チンゲン菜・ニンジン)
- バナナなどのフルーツ
デュビアの餌の献立
月曜日 | 昆虫ゼリー/ウサギの餌 おやつ程度にバナナ |
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火曜日 | 昆虫ゼリー/ウサギの餌 |
水曜日 | 野菜(フトアゴのあまり) ウサギの餌 |
木曜日 | バナナ/ウサギの餌 |
金曜日 | 野菜メイン(フトアゴのあまり) ウサギの餌 |
土曜日 | 昆虫ゼリー/ウサギの餌 |
日曜日 | 野菜メイン(フトアゴのあまり) ウサギの餌 |
野菜とフルーツは毎日与えるわけではなく、野菜はフトアゴの給餌日(=週3回)、バナナは週2回程の頻度で与えています。
なのでメインの餌は「ラビットフードと昆虫ゼリー」を与え、バランスを意識した給餌を心がけています。
餌を与える頻度
餌を与える頻度は毎日が望ましいです。
デュビアは大食漢ですし餌が傷んだり腐ることを考え、毎日取り替え与えることがベストです。
我が家はフトアゴヒゲトカゲの給餌と同時に行いルーティーン化しています。
水分は与えるべき?
昆虫ゼリーや野菜などの水分含有量が高い餌を与える場合、別途水を与える必要はありません。
私も飼育当初は心配で給水器を使い、水を与えていましたがケース内の湿度が高くることがあり撤去しました。
以上のことから、餌から水分補給だけでも問題なく飼育できているので給水器はないと考えています。
デュビアを食べる爬虫類のことも考える

多くの方はデュビアをペットとしてではなく、爬虫類の活き餌として飼育したいと考えていますよね。
上記はあくまでデュビア目線で必要な栄養素でした。しかしゴキブリを食べる爬虫類のことを考えることも必要不可欠。
例えばベビー・ヤングサイズの爬虫類なら「高タンパク・中脂質のデュビア」になるようなエサを与える必要があります。
アダルトサイズなら「高タンパク・低脂質のデュビア」が肥満防止になり最適です。
このように飼育する生体に合わせたデュビアに生育するのもデュビア飼育の醍醐味ですね。
まとめ

結局のところ与えるエサの質と量、飼育環境が栄養価を大きく変えます。
最終的に大切な生体の栄養になるこも考え、デュビアを飼育するよう心がけましょう。